AHA・BHA・PHA、それぞれ得意な肌悩みが違います。 「ピーリング=肌を削る=怖い」と思っている方も多いかもしれませんが、正しく選べば角質ケアの心強い味方になります。皮膚科看護師の視点から、あなたに合ったピーリング成分をお伝えしますね。

ピーリングとは?角質ケアの基本

ピーリング(化学的角質除去)とは、酸の力で古い角質を溶かして除去するスキンケア方法です。皮膚科で行うケミカルピーリングは高濃度の酸を使いますが、自宅用は低濃度で穏やかに作用するものがほとんどです。

臨床的には、適切なピーリングは以下の効果が期待できます。

  • くすみの改善(古い角質の除去)
  • 毛穴の詰まり解消
  • ターンオーバーの正常化
  • 美容成分の浸透促進
  • ニキビ予防

AHA・BHA・PHA 徹底比較

項目AHA(α-ヒドロキシ酸)BHA(β-ヒドロキシ酸)PHA(ポリヒドロキシ酸)
代表成分グリコール酸、乳酸、マンデル酸サリチル酸グルコノラクトン、ラクトビオン酸
溶解性水溶性脂溶性水溶性
浸透性角質層表面毛穴の中まで角質層表面(ゆっくり)
刺激性中程度やや高い低い
得意な悩みくすみ、シミ、小ジワ毛穴、ニキビ、角栓乾燥、敏感肌のくすみ
保湿効果乳酸のみありなしあり(保湿作用が高い)
おすすめ肌質普通肌〜混合肌脂性肌〜混合肌敏感肌〜乾燥肌

AHA(α-ヒドロキシ酸)の詳細

グリコール酸

AHAの中で分子量が最も小さく、浸透力が高い成分です。2015年のDermatologic Surgery誌の研究では、グリコール酸8%の12週間使用で色素沈着が28%改善したと報告されています。ただし、浸透力が高い分、刺激も強めです。

乳酸

グリコール酸より分子が大きく、穏やかに作用します。保湿効果もあるため、乾燥肌の方のピーリング入門に最適。ヨーグルトに含まれる成分としても知られていますね。

マンデル酸

さらに分子が大きく、最もマイルドなAHA。メラニン抑制効果もあり、色素沈着のケアに注目されています。敏感肌でAHAを試したい方にはマンデル酸からがおすすめです。

BHA(β-ヒドロキシ酸)の詳細

BHAの代表がサリチル酸です。脂溶性という特徴があり、皮脂で詰まった毛穴の中まで浸透できる唯一のピーリング成分なんですよね。

毛穴の詰まり、黒ずみ、ニキビに悩んでいる方にはBHAが第一選択です。抗炎症作用もあるため、赤ニキビの鎮静にも役立ちます。

日本の化粧品では、サリチル酸の配合上限が0.2%と定められています。皮膚科のケミカルピーリングでは20〜30%を使用するため、自宅ケアはあくまで穏やかな角質ケアとして位置づけてください。

PHA(ポリヒドロキシ酸)の詳細

PHAはAHAの「次世代版」として注目されている成分です。分子量が大きいため浸透がゆっくりで、刺激が少なく保湿効果も持つという特徴があります。

2004年のCutis誌に掲載された比較研究では、グルコノラクトン(PHA)はグリコール酸(AHA)と同等の抗老化効果を示しながら、刺激は有意に少なかったと報告されています。敏感肌やロザセア(酒さ)の方でも使いやすいピーリング成分です。

肌質別おすすめピーリング

脂性肌・ニキビ肌

BHA(サリチル酸)が最適。週2〜3回の使用から始めてください。ニキビケア成分ガイドも参考に。

乾燥肌

PHAまたは乳酸がおすすめ。保湿効果があるため、ピーリング後の乾燥を感じにくいです。

敏感肌

PHAから始めてください。マンデル酸も選択肢です。AHAやBHAは刺激が強すぎる可能性があります。

エイジングケア重視

グリコール酸が最も研究データが豊富。ただし、レチノールとの同時使用は刺激が強くなるため、使用日を分けてください。

やってはいけないNG行為

  • 毎日使う:角質の取りすぎでバリア崩壊。最初は週1〜2回から
  • 複数のピーリング成分を重ねる:AHA化粧水の後にBHA美容液、は刺激過多
  • 日焼け止めを塗らない:ピーリング後は紫外線感受性が上昇。必ずSPF30以上を
  • スクラブと併用:物理的刺激と化学的刺激のダブルパンチは肌に過酷
  • 赤みがある状態で使い続ける:炎症が起きていたら一旦休止を

よくある質問

Q. ピーリングはどのくらいの頻度で使うべき?

A. 自宅用の低濃度ピーリングなら、肌の状態を見ながら週1〜3回が目安です。毎日使えると謳う製品もありますが、肌のターンオーバー周期(約28日)を考えると、やりすぎは逆効果なんですよね。

Q. ピーリング後にヒリヒリするのは正常?

A. 軽いピリピリ感は酸が作用している証拠で正常です。ただし、5分以上続く痛みや赤みが引かない場合は洗い流して使用を中止してください。

まとめ

ピーリングは「肌質に合った酸を選ぶ」ことが成功のカギです。毛穴にはBHA、くすみにはAHA、敏感肌にはPHA。自分の肌悩みに合わせて選べば、自宅でも安全に角質ケアができます。

裕子の皮膚科メモ

皮膚科のケミカルピーリングと自宅ケアの最大の違いは「濃度」です。自宅用は穏やかに作用するように設計されているので、正しく使えば怖がる必要はありません。ただし、肌トラブルが治療レベルの場合は自己判断せず、まず肌バリアの修復から始めることをおすすめします。